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「建設業に興味があって転職を考えている」「これから現場監督として就職するが、どんな仕事なのか知らない」「
そんな疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この記事では建築の現場監督がどのような業務を行なっており、その業務のコツなども紹介していきます。
現場監督とは
業者を管理、指示しながら請け負った工事を完成させる業務。
おおまかに言えばこのような仕事です。
これから具体的な仕事内容を書いていきますが、その前に工事がどのような流れで進んでいるのかを紹介していきます。
着工の準備
「段取り8割」と言われている建築工事現場は着工前にどれだけ準備できるかが肝になってきます。
●書類の提出:「工事着手届け」「適用事業報告」「機械等設置届」「建設工事計画届」「道路占用許可申請」etc…
●現地調査:「境界杭の有無」「架空線の有無(防護管の手配)」「KBMの確認」「近隣状況の確認(状況に応じて家屋調査)」「道路の確認(乗り入れ、側溝、アスファルトの傷や欠けの写真を撮っておく)」etc…
●近隣挨拶:着工日が確定したら近隣への挨拶を欠かさずに。工事の進捗に合わせて月に1回以上は行いましょう。
工程の作成
工事にはお客様と取り決めた期日があります。それを守るため、工程表を作成し、工事をどのような日程で進めていくかの計画を立てる必要があります。各業者と打ち合わせを行いながら無理のない工程を作る必要があります。
工程表には種類があり、「マスター工程表」「月間工程表」「週間工程表」などがあります。
●マスター工程表:着工から竣工、引き渡しまでの予定をざっくり計画したもの。はじめに作成し、その後の変更に関しては月間工程表にて修正を行っています。
●月間工程表:月単位の予定表。マスター工程表よりも細かい作業内容まで計画。マスター工程表を参考に月の細かな工程を書く業者へ配信するために作成している。月単位で更新していきます。
●週間工程表:週単位の工程表。月間工程表よりも細かく、その週の工事予定を記載。現場に張り出せば作業員の方々も混乱せずに済みます。又直近の工程が予定より遅延した場合に工程を組みなおし、関係者へ配信するのもこの週間工程表がよいでしょう。
作る建物の規模や工期の短いものに関してはすべて作らなくても問題ないかもしれませんので、必ずしもすべて必要という訳ではありません。しかし3つとも作ることで工程が明確になるため精度はかなり上がります。
施工図面の作成
建築工事を行う上で、何種類かの図面が存在します。そのうち、現場監督は「施工図」という図を作成します。
●設計図書:設計士が作成する図面。大きく分けて「意匠図」「構造図」「設備図」が存在し、お客様との契約や建築確認の取得などに必要で、工事もこれを基準として進めていきます。法律上守らなくてはならない寸法などは記載されていますが、細かな納まりなどは検討されていないため、実際に施工するための施工図は現場監督が作成をします。
●承認図:メーカーが作成する図面。サッシや住設、機械、鉄骨などの図面をメーカーから取り寄せて現場監督がチェックします。施工図を作成するうえでは、この承認図も必要になります。
●施工図:現場監督が作成する図面。設計図書、承認図を参考にしながら、納まりを検討し、実際に施工するために必要な細かな情報まで書き込んだ図面です。
なぜ施工図が必要なのか?
一つ例えをすると、RC造の構造図面で「柱断面寸法900×900」という指示があったとします。これは構造計算された数字で「900以上の寸法がないと建物の耐力基準が満たされません」という意味の寸法です。実際に現場ではこの寸法で作ることはないでしょう。それにはいくつかの理由があります。「施工精度の問題」「水の侵入を防ぐため外部側に目地を入れる」「鉄筋のかぶりが確保できないため」など。「目地を入れる」についてだけ簡単に説明をします。RC造の構造体は鉄筋とコンクリートでできており、鉄筋は濡れると錆びるのでコンクリートで保護をしています。又RC造の躯体は主に1フロアずつ作っていくのでフロアごとに打ち継ぎ部分が発生します。この打ち継ぎ部分から雨水が侵入するとどうでしょう。鉄筋が錆び、膨張し、躯体が破壊されます。(これを爆裂といいます)この爆裂を防ぐため、打ち継ぎ部分に溝を作りコーキング処理を行うのです。
外部2面に面する柱(900×900)にその溝を20mmで作るとしましょう。そうするとその部分の断面は「900-20=880」なので柱断面寸法が「880×880」になってしまいます。900が確保できないため、柱の一番狭いところで900を確保するように計画をします。今回の例で言うと、「900(柱の守るべき寸法)+ 20(打継目地)= 920mm 」この920mmで作れば断面寸法を確保することができます。
上記のような検討を重ね、作業者への指示書として作成するのが施工図なのです。
施工図の主な種類は、「仮設計画図」「躯体図」「平面詳細図」「割付図」「外構図」などがあります。
原価管理、予算管理
建設業も慈善事業ではなくもちろん商売です。お客様と金額を決めて契約を交わし、その金額の中で工事を完成させて利益を上げること。これも現場監督の仕事です。特に建設業で扱われる金額というのは桁が大きく、一歩間違えれば何千万もの損害を受ける可能性もあります。金額の取り扱いには責任と緊張感をもつことが大切です。
・できる限り漏れの無いように予算管理表を作成する。
・各業者への見積依頼と金額確認、値段交渉を行う。
・予定外の出費が発生したらすぐに管理表へ入力。常に予算の確認。
・毎月各業者へ支払いをするために検収作業を行う。
・業者による破損などの損害は交渉して相殺処理を行う。
・計画段階から仕様がグレードアップする場合はお客様へ追加費用の請求を行う。
現場の安全管理
建築現場では「安全第一」と言われるほど安全を大切にしています。それはなぜか?建設現場が非常に危険で少しのことで死者が出かねないからです。例年建設業での死傷者数は年間15,000人程、死亡者は300人程報告されています。これは全産業の約3分の1の死亡者数なのです。そんな危険な建設現場で作業する方々が安全に作業を行えるように設備やルールを整えたり、作業員への注意喚起を行うなど、人の命を守ることが現場監督の中でも一番大切な業務なのです。
主な安全管理
●KYK:その日の作業内容と危険な作業、注意すべき点を業種ごとに紙に書かせ、掲示板に張り出す。
●朝礼、昼礼:朝と昼にその日の作業員全員を集めその日の作業と危険作業の注意点を発表させる。それに加え監督からその日の注意事項を発表し安全唱和を行う。
●現場ルールの作成:ポッケに手をいれたまま移動しない、保護具(ヘルメットや安全帯など)は必ず着用するなど、現場内にルールを作りそれを守らせること。
●建築設備の点検:足場が緩んでいないか、脚立が壊れていないか、ワイヤーの摩耗がないか等、定期的な点検を行う。
●状況に応じた工程変更:風の強い日の外部作業を変更や、猛暑の際に休憩時間や回数を増やして工程を伸ばすなど。
●安全協議会、災害防止協議会:翌月工事に関係する業者を集め、事前に危険個所の洗い出しを行い協議する会。これは毎月行うことが義務づけられています。
などなど。ごく一般的なものを紹介させていただきましたが、会社ごとに様々な取り組みがあります。安全の対策なんてものはどれだけ行っても足りないのです。めんどくさいなんていう作業員もいますが、皆さんが気づいた危険への対策が、作業員の命を守り、その周りとの幸せな生活を守るのです。絶対に妥協しないでください。
品質の管理
建築物とは人が中に入り、外部から身を守るためにあります。その建物自体が一定の基準に満たなければ、建物は壊れ、最悪の場合使用している人事態が死亡してしまう可能性もあります。そうなっては元も子もありません。そうならないために建築には様々な法律があり、建物を作る上での規制が設けられています。又、お客様と契約した設計図書には仕様書というものが入っており、どのような建材を使用するのかまである程度決められています。これらを守りながら建物を作りっていき、傷の無い綺麗な状態でお客様へ引き渡すことが品質管理です。
例えば、「有害物質の出るような資材を使っていないか」「鉄筋の太さや本数」「プラスターボードの厚みやビスピッチが守られているか」「お客様の選んだ色の建材が使われているか」「仕上げ材に傷がないか。又傷の使い無いように養生の計画を立てる」など
買ったばっかりのものが不良品。ましてや建築物は何千万、何億の買い物です。これらの品質を守ることが現場監督の仕事の一つです。
どのような能力が必要か
ここまで現場監督の主な業務を紹介してきました。建設会社によって分業の会社もありますが一通りどのような業務があるのかは知っておいたほうが良いでしょう。
それではここからは現場監督の業務を行う上で何を大切にしたらよいかを紹介していきます。
コミュニケーション(報連相)
建設業では、設計、営業、施工業者、お客様、近隣の方など何十~何百人という人達が協力して1つの建物を完成させます。それらの中心にいるのが現場監督です。そんな中で円滑に工事を進めるためには何が必要でしょうか?
そうです。コミュニケーション(報連相)です。
報連相とは、報告・連絡・相談のこと。社会人の基礎ですよね。これがとても大切です。現場監督は建物を作るうえで中心にいる人物のため、すべての情報を把握しておく必要があります。お客様からの要望、近隣からのクレーム、設計からの設計変更、協力業者からの工程変更要望、現場で起きたすべてのこと。それらをすべて把握し、関係する各所へ報連相をする必要があるのです。材料の納期が変更になったのに施工業者へ連絡していなかったら?クロスが変更になったのにクロス屋に連絡していなかったら?道路を塞ぐ工事を近隣の方へ伝えていなかったら?すべてとんでもないことになりますよね。前記の内容はほんの一例で、「ちょっとしたことだし」という内容が大きな問題へつながったりもします。これらの問題を解消するのが報連相なのです。
そして、人間というのはミスをする生き物です。どれだけ注意していても忘れることや見逃すことはあります。そんなときの為に様々な方とコミュニケーションをとり、良好な関係を築くことで皆が助けてくれるのです。いつもメールだけで依頼が来る顔もよく知らない人と、雑談をするような現場で顔をよく知った人、両者が困っていた時どちらを助けたいと思いますか?言うまでもないと思います。人間は一人で仕事をしているわけではありません。問題が起きて困ったとき、自分一人では何ともならないのです。そんなときの為に関係者と良好な関係を築いておくこと。これは現場監督としてとても大切なことです。
建築の知識を身に着けること
すごく当たり前のことですが、とても重要なことなのであえて書かせていただきます。知識があることでどのような効果があるのか紹介させていただきます。
1.仕事の効率が上がる。
現場監督は正直忙しい仕事です。仕事量は他の業種に比べて多いと思います。ただでさえ仕事量の多い現場監督で仕事を効率よく進めるためには知識が必要なのです。仕事を始めたばかりはしょうがないと思います。わからなくて当然。ですがその思考のままでいるといつまでたっても成長できません。「これは何だろう」「なんでこうなる?「これって大丈夫?」そんな意識で業を行っていると時期判断力が向上し、仕事の効率がぐっと上がるでしょう。
2.業者から信頼される。
正しい知識があれば協力業者から信頼され、言うことを聞きやすくなります。協力業者は高齢化が進んでおり、若手からすると年上の方ばかりです。そんな人たちが若い自分の指示をどうしたら聞いてくれるか。それは聞かれたことにテキパキ答えられることです。施工業者の方々って待たされるのを嫌います。仕事を早く終わらせた方がメリットがあるからです。そんな中「ちょっと調べます」って言われて待たされたらイライラしますよね。なのでテキパキ答えられる現場監督の現場に入りたいと考えています。そのため知識を養い判断力をつけることが大切なのです。
まとめ
以上紹介いかがでしたでしょうか。
今回現場監督についての業務内容を紹介させていただきました。
最後に紹介させていただきました知識をつけるために、普段の業務の中でも身に付きますが、資格の勉強をするのがよいです。
私も2級建築士、1級施工管理技士、宅建士の資格を持っていますが、すべてが業務へつながっています。
そうすると仕事が楽しくなってきますよ!

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